思い出が音を立てて崩れた 気仙沼で

立ち尽くす女性がいた。見つめる先には我が家。取り壊しには応じたけれど、目の前で思い出の一つ一つが崩されてゆく。私が会釈をすると、深々とお辞儀を返してくださった。

瓦礫の中の鯉のぼり 気仙沼にて

1ヶ月ぶりに訪れた気仙沼は、瓦礫の撤去が進んでいた。ふと目をあげると瓦礫の山の向こうに鯉のぼりが泳いでいた。そうだ、節句が近いのだ。色のない瓦礫の中で見た鯉のぼり。目を伏せてうつむいていてはいけない。鯉のぼりのように人々が激流を遡って行くことを祈った。

捨てるために乳を搾る

夕方、牛に餌をやり寝わらを敷き乳を搾る。捨てるために乳を搾る。乳牛は乳を搾らないとあっという間に乳房炎になる。1ヶ月後にはここを立ち去る。何処に行くのか、いつ戻れるのかまったくわからない。しかし、牛を守るために「捨てる乳」を搾る。捨てながら乳を搾る。政治家は役人は、誰より原発を建設を推進してきた者どもはこの現実を見ているのか。見ようとしているのか。金で買えるものがすべてではない。

浪江町に残ってサイレージを切る

1ヶ月後にはここを立ち去れと国はいう。牛を見殺しにせよと国はいう。ここに生きた証も、牛飼いとしていきた誇りも捨ててここを去れと国はいう。しかし、それでも、酪農家はサイレージを切り牛に与える。残された1ヶ月で何をどう決めろと国は彼らにいうのだろうか。考える材料も与えずに、国はここを去れという。それが果たして人命優先といえるのか。深く考えた。答えは見つからない。

粘り強く!東北

東松島の野蒜にて。自衛官のヘルメットに「粘り強く!東北」のシールが。自衛官、警察官、消防隊員、消防団員の粘り強さにも拍手!

石巻で活躍するボランティアの中にリビアの友人アーデル君がいた

石巻市のあいプラザにて。東北福祉大の学生と何事か熱心に打ち合わせするリビアの友人アーデル君。いつもどおりの元気のいい気分のいい青年だ。来週ちょっと東京に戻って大学で手続きして、今月いっぱいくらいこっちでボランティアですとニコニコしていた。リビアとエジプトのことを少し話した。簡単にはいきませんよ。東北と同じですよと、明るく話してくれた。リビアに平和を!

重い十字架

福島第一原発まで1kmたらず。大熊町の栽培漁協協会の津波で破壊された巨大な水槽を管理するドーム。排水溝が十字架に見えた。重い十字架だった。ここでお嬢さんがなくなったご夫婦に今日お会いした。写真を見ますか?と問いかけるとご主人は首を横に振った。詳しい状況を聞かせてくれといわれたので、できる限り感情をいれず正確に見たままを話した。ご夫婦は、最後まで写真を見ようとはしなかった。

南相馬市の田畑が海に。

3月11日からまもなく1ヶ月が過ぎる。余震も続く。南相馬市の海よりの田畑は瓦礫と塩水とヘドロで埋まっている。

相馬市市場祭り開催

4月9日、相馬市の総合市場で地元を元気付けようと市場関係者が「市場祭り」を開催した。写真は、試食コーナーでマグロの刺身を食べる少年。「おいしかったー」と大きな声でお礼を言っていた。